第11回 CDA受講生限定コンペティション「Cセグメントクロスオーバー」 | Car Design Academy [カーデザインアカデミー]|オンラインのカーデザインスクール

第11回 CDA受講生限定コンペティション
「Cセグメントクロスオーバー」

こんにちは!カーデザインアカデミーです。
先日、受講生限定のデザインコンペティションを開催しました。この記事ではコンペの結果や、作品に対する審査員長からの評価コメントなどをお伝えします。
デザインを学ぶ方にとって有益な情報満載です!ぜひ最後までご覧ください。

今回も審査を努めてくださったのは、名車フェアレディZ32やスカイラインR32 GT-Rのデザイナーで現在も多分野で活躍されている山下 敏男先生です。
山下先生の記事はこちらから

過去のCDAコンペはこちらから

中間チェックを取り入れたフレームワーク

 このCDAデザインコンペティションは単なるデザインの競争ではなく、教育を目的としたイベントです。
受講生がより多くのことを学べるよう、作品制作の途中段階で山下先生のアドバイスが受けられる「中間チェック」を設けたフレームワークでコンペを進めました。
約1ヶ月間という短い制作期間でしたが、今回も期待以上の作品が多く提出されました。
中間チェックの様子はこちら

今回のテーマは「新しいCセグメント“クロスオーバー”のデザイン」

前回のコンペテーマはAセグメントのクロスオーバーでしたが、今回は車格を少し大きくした「Cセグメント」にしています。
Aセグメントに比べると寸法的な余裕があるCセグメントで、どんな提案がされるのか非常に期待が高まりました。
「クロスオーバー」の定義については前回と同じく“異なるファンクションの掛け合わせ” です。
難しいテーマに苦戦しながらも生み出されたユニークな作品をぜひご覧ください。

審査の基準

 このコンテストでは、課題テーマとコンセプトの整合性をうまく合致させ、目的に沿ったアイデア展開をし、さらに的確かつ魅力的にスケッチで表現できているかを審査します。


厳選なる審査の結果、
最優秀賞に選ばれたのは・・・。

インドネシアの受講生
Abdulさん(2連覇)の作品でした!!

ダブルデッカー Χ ミニバン



<審査員長からのコメント>
 新しい観光用ビークルの提案でしたが、プレゼンボードのイラストが魅⼒的でわかりやすい!
ターゲットであるバックパッカーが空港到着した後に、このビークルを「どこで、どの様に利用して観光するか」までの流れが文字情報無しで伝えることに成功しています。
また、スケッチに関してはアイデエーションをサイドビュー、そしてスリークォータービュースケッチなどで分けて描けるスキルを持っています。
惜しかった点は、形態を始めから決めている為なのか、アイデアスケッチに広がりが不足しているところ。
EVがシェアリングされる時代には、もっと独創的なデザインが求められるでしょう。今後は素材や構造まで意識した「スタイリングの⾰命的」なデザインを目指してほしいと思います。

 

中間チェック時の作品

一見して分かるように、この時点ではまだ方向性が定まっていませんでしたが、山下先生から「このような観光向けビークルはシェアリング含めてビジネスモデルから考える必要がある」といった内容のアドバイスを受けて、今回のデザインにデベロップされました。

中間チェックにて作品にアドバイスをする山下先生


第2位は
Alirezaさん

アーバンフレンドリーΧGet Away Partner(現状からの脱出)



<審査員長からのコメント>
 GEN Z をターゲットに、街乗りEVのつまらなさにワクワク感を出せる企画が良いです。コンセプトボードのDUAL PERSONALITYページがGEN Zの二面性をよく表現されている点もGOOD!
また、しっかりとフォルムの研究もできていました。スケッチ⼒も高いです。しかし、スタイリングがマツダ車に寄りすぎていた点が勿体無い。そこでデザインの発展が⽌まっているように感じました。既存メーカのスタイリングにとらわれない独自のデザインが生み出せるよう今後も頑張ってください。

中間チェック時の作品

 中間チェック時、山下先生から「この車のスタイリングがなぜジェネレーションZ向けなのか?一見すると車好き向けのスタイリングに見える」と指摘を受けていました。そこで彼は最終提案ではジェネレーションZの持つ価値観を伝えるボードを追加し、それが理解を助け、高評価に繋がりました。
デザイン提案では、最終デザインのクオリティだけでなく、「自分の提案を適切に伝えるためには何が必要なのか?」を考えることが不可欠だという事を教えてくれる良い提案でした。


第3位は
Jihedさん

大型ラグジュアリーセダンΧファミリーカー



<審査員長からのコメント>
 大型高級セダンが持つラグジュアリー感をコンパクトなCセグメントで提供するというアイデアでしたが、
実はこのテーマ、過去から現在まで多くのメーカーがトライしており、以前は⼩さな⾼級⾞と呼ばれることもありました。
現実にはコストをかけても理想通りに実現できない難しさがあります。
Jihedさんのスケッチは巧みで魅⼒があり、見せ⽅も良いです。しかしながら、何か「これ」という強いものは残念ながら感じられませんでした。
スケッチにはロールス・ロイスのフロントを彷彿とさせる部分がありますが、ロールス・ロイスの本来の美しさを⾒極めると提案の内容はもっと良くなるでしょう。
私は現代のラクジュアリーデザインはセクシーだと思いますが、それを感じさせるデザインを目指してほしいです。
スタイリングで一点アドバイスすると、ボディサイドは曲面が強すぎるのでもっとフラット気味にした方が、モダンに見えて良くなると思います。


その他上位入賞作品はこちらからご覧になれます。
※画像をクリックしてください。


最後に

 カーデザインアカデミーのコンペティションでは、中間チェックを含めた審査の様子をすべて受講生に公開しています。受講生は自分の作品に対する評価だけでなく、他の受講生への評価も知ることで、コンペで勝つためのノウハウを得ることができます。
CDAデザインコンペティション含め、カーデザインアカデミーの受講に関して何か知りたいことやご相談がありましたら、講師と直接ビデオ通話できる「個別面談」を設けていますので、ご気軽にお申し込みください。
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