【前編】楽しく働く?いすゞデザインの今と、そのこころみに迫る | Car Design Academy [カーデザインアカデミー]|オンラインのカーデザインスクール

【前編】楽しく働く?いすゞデザインの今と、そのこころみに迫る

こんにちは!Car Design Academyです。

『お風呂に入る前は面倒でしか無いが、入った後に後悔することはない。』

最近知ったのですが、少し昔の糸井重里さんの言葉らしいです。絶妙な表現だなぁと関心しました。何かし始めることが億劫に感じた時に、思い出すようにしています。何でもやりだす前が面倒なんですよね。学校の課題なんかも、この言葉を思い出して頑張りましょう笑

そんなことはさておき、2015年5月22日から3日間に渡って、いすゞデザインこころみ展が六本木AXISで開催されたのはご存知でしょうか。

 

 
いすゞの「ワクワクを感じた作品」が集合…デザインセンター作品展|Response

いすゞ自動車デザインセンターでは2009年から「ワーキンググループ活動」に取り組んできた。これは個々のメンバーのスキルアップやコミュニケーション向上を目的としたもので、デザイナーやクレイモデラーなどの職能の壁を越えたチームで演習や作品作りをおこなうというもの。 言うなれば「課外活動」ということになるのだが、面白いのは「通常業務に支障をきたさない限り、就業時間内にやってよい」ということだ。こうしてスケッチ演習やオブジェ制作といったさまざまな課題に取り組み、そのなかで「ワクワクを感じた作品」を集めたのが、今回の展示会となる。

 

このデザイン展に足を運んだのですが、私が感じたのが『この取り組みをもっと多くの方に伝える必要がある』ということ。すぐにその場で丸山公顧デザインセンター部長に突撃し、追加取材を申し込んだところ、快く了承していただき、いすゞデザインセンターに取材に行ってきました。

いすゞデザインのその取り組みの詳細とその真意、もたらした効果について掘り下げてみたいと思います。

 

【前編】楽しく働く?いすゞデザインの今と、そのこころみに迫る

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2009年から取り組んできた“ワーキンググループ※1”は言わば課外活動。その取り組みは2009年からの6年間で62を超え、様々な効果をもたらしてきました。

※1 ワーキンググループ(WG) = デザイナー・モデラーなどの職種、年齢関係なく構成されたメンバーで、業務に直接かかわる技術的な課題の解決や、スキルアップ・モチベーション向上などを目的とした活動のこと。就業時間内に活動することが認められており、進捗は半期ごとの報告会で確認する。「自由に発想して楽しく活動する」ことを前提として掲げている。

今回は、下記の62のワーキンググループ(WG)の中から、いくつかピックアップして、ご紹介したいと思います。

 

スケッチワーキンググループ

若手のスケッチ力向上のために設けられたワーキンググループで、以下はリフレクションスケッチ。リフレクションと言うのは、“反射”や“映り込み”のことで、クルマを描く時には欠かすことの出来ない重要な概念です。

リフレクションを表現することで、その造形物がどのような形をしているのか伝える事ができるのですが、なんとなく感覚的に描くのではなく、きっちり頭で理解し習得するというのが、このときのスケッチWGの目的でした。スケッチから発展し、下写真の造形を製作。比べてみることで、描かれたリフレクションスケッチの精度を確かめることが出来ますね。

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次は、DeuSEL(デューゼル)トラックをテーマにした2014年のスケッチです。

DeuSEL(デューゼル)とはミドリムシから作ったバイオディーゼルのことで、このWGでは、環境負荷の少ない物流社会を築いていくためのDeuSELトラックをデザインしました。

トラックの荷台天井にはミドリムシを培養するプール。降り注ぐ太陽を浴びながらCO2で育ったミドリムシが、トラック内でDeuSELに生成され、ディーゼルエンジンを動かします。それによって出た排気ガスのCO2は、天井の培養プールへ。トラック内で循環が完結するという夢のトラックですね。

お次は、デザインセンター内で掲示するためのスケッチや、いままでのスケッチWGで培ったスキルの集大成でもある画集作成の際のスケッチです。ちなみにこの画集は3冊限定で特別に製本されたとのこと。

通常の業務で描く機会がないデザインの乗り物や、背景、人物にチャレンジすることで、一人ひとりのデザインの幅も広がります。普段はトラックをデザインしているはずなんですが、こんな空飛ぶ乗り物まで…すごいクオリティです。

オブジェワーキンググループ

火、水、光、風、音など形のないものをオブジェとして表現することに挑戦したワーキンググループ。形の無いものを表現するということは、クレイのテクニックよりもイマジネーション力が求められます。年次やテクニックの差を帳消しにするような、なんとも憎いテーマ設定です。

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次ページでは、さらなるワーキンググループと、その効果に迫ります!

<次ページヘ>【後編】楽しく働く?いすゞデザインの今と、そのこころみに迫る

お知らせ

2015年8月2日(日)、中目黒ラウンジにてアルティメットカーデザインバトル2015を開催します。審査員は、現役カーデザイナーを始め、カースタイリング誌編集長松永氏らが務める。優勝賞金10万円をはじめ、豪華副賞を手にするのは一体誰なのか。当日は、お酒や料理と共に、音楽に揺られながらどっぷりとカーデザインの世界に浸れます。大会終了後、様々なアーティストとコラボし、アート空間を演出しているcafe・中目黒ラウンジでは、カーデザインウィークを開催し、優秀作品や様々なスケッチを展示予定。カーデザイナーを志す方、観戦希望の方、プロのデザイナーの方は奮ってご参加ください。詳しくはイベントページを御覧ください。

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