校長の喜屋武が食空間デザインのトークショウに参加しました
なぜそこにカーデザイナーが??
3月某日、CDAの校長でカーデザイナーの喜屋武が、”FSPJ(テーブルコーディネートスクール)交流会2019トークショウ”に参加しました。
テーブルコーディネート?なぜそこにカーデザイナーが??と疑問に思う方も多いと思います。
まず経緯から簡単に説明しますと、今回この会を主催した食空間プロジェクト株式会社とは、”食事をより美味しく、より楽しくするための空間創り”を専門に行う会社で、同時に人材育成のためのスクールも運営されています。
今回はそのスクール受講生の交流会である”FSPJ交流会2019″が六本木メルセデスミー東京で開催されることになり、会場がメルセデス・ベンツの店舗だという事から、代表である食空間プロデューサーのMIKOさんは「食空間デザイナーとカーデザイナーが話すと面白い事になりそう!」と閃いたようです。
そしてゲストとして白羽の矢が立ったのが喜屋武ということで、このトークショウ参加に至りました。
会場は普段レストランであるメルセデスミー東京のUPSTAIRSですが、この日はFSPJのデザイナーによる演出でよりエレガントな空間に。
メイン会場の横には真っ赤な最新Aクラスが。空間全体をクールな色合いでコーディネイトしていた事で良いアクセントになっていました。
トークショウだけでなく、”食空間xプロジェクションマッピング”というユニークなセクションも。
意外にも共通項がある食空間と将来のカーデザイン
トークショウでは、MIKOさんの巧みな進行のもとカーデザインの仕事について、そしてCDAの取り組みに関しての話で盛り上がりました。会場にいた皆さんはカーデザインのデザインプロセスや、カースケッチ・試作モデルの画像に興味津々の様子。そして話題は”食空間xカーデザイン”へ。
食の空間とカーデザインは一見すると遠く離れたカテゴリーに感じられますが、それらを引き寄せるのは近年盛り上っている”自動運転技術”だと喜屋武は少々興奮気味に語りました。
「これから自動運転技術が発達して市販車がレベル4~5に達したとき、従来運転するための空間であった車のインテリアは、有意義な時間を過ごす空間に変わる。そうなった時には、現在のドライバーオリエンテッドなデザインが主流のインテリアではなく、カフェやホテル、またはくつろげるリビング空間のようなデザインが求められるだろう。そして食の”時間”をより豊かにするテーブルコーディネートつまり食空間デザインの考え方は将来のカーデザインにおいて大切なヒントになり得る。」と持論を述べました。
また、最近のCDA受講生作品のほとんどが自動運転である事を、CDAコンペの作品を紹介しながら説明すると、会場からは「わぁ~」という声と共に未来的で独創性のある受講生作品に関心を寄せていました。
そしてMIKOさんと、”近未来でカーデザインと食空間がクロスする可能性”などの話が始まり、参加者を巻き込んで大いに盛り上がっていると、あっという間に予定時刻を迎え、興奮冷めやらぬままトークショウは終了しました。
心地よいテンポでトークを進めるMIKOさん(右)
参加者からの質問に答える喜屋武
CDA受講生作品を紹介。会場からは普段見慣れないカースケッチに感心の声が上がっていた。
イベントを通じて
これから先、車の価値観は自動運転技術によって大きく変わります。その時、デザイナーの役割はスタイリングだけではなく、乗員への運転に代わる”体験”の提案もしなくてはなりません。今回、そのような提案をするためには異業種とコラボレーションすることがベストプラクティスなのだと感じさせるイベントでした。CDAは新たな時代で活躍できるカーデザイナーを育てるべく、今後さらにカーデザイン以外のクリエイターたちと交流を深め、その成果を学習内容に反映させていきます。