ミラーレスでカーデザインが大きく変わる?技術革新が巻き起こす今後のトレンドとは。
1月19日の日本経済新聞によると、自動車部品の「世代交代」が加速しているという。
IT(情報技術)に強い異分野の企業が、既存の部品を代替する新技術を実用化する動きだ。デンソーやパナソニックはサイドミラーなど鏡が不要な「ミラーレス」システムを開発。カメラとモニターを使って後方の死角をなくし、安全性を高める技術で、自動運転にも生かせる。パナソニックはスペインのサイドミラー大手フィコサ・インターナショナルに出資した。パナソニックのITとフィコサのミラーノウハウを融合させ、新しいシステムの開発を進めている。(引用元:日本経済新聞)
パナソニックやデンソーと同様に、他企業も新規参入を試みている。例えば駆動系やエアコン部品大手の仏ヴァレオは、ドイツのコンチネンタルと共同で、ミラーレスのシステムを開発、認可され次第、日本でも販売する方向。
参照:ヴァレオの試作品
昨年10月の東京モーターショーで発表された、レクサスLF-FCのコンセプトカーでもわかるように、明らかに、カーメーカーもその方向に動いているであろう。
参照:http://goo.gl/VUYLRS
ちなみに、レクサスLF-FCのコンセプトカーは、タッチパネルに触れないでも、ジェスチャーだけで入力が可能な操作システムを搭載している。これは、既に量産化されているBMWの7シリーズを、意識して追随しているのだろうが、こういった、今までにない新技術が、10年後、いや5年後には、主流になっていくと予想できる。
参照:http://www.bmw.co.jp/ja/all-models/7-series/sedan/2015/at-a-glance.html
ジェスチャー・コントロール(量産車世界初)
3Dカメラがドライバーの手の動きを認識して、ジェスチャーにより車載コントロール・システムの操作することができる世界初の機能。6つのジェスチャーを行うだけで、音量調節やコントロール・ディスプレイに表示されたポップアップ表示を閉じるなど、利用頻度の高い機能を簡単に操作することが可能/全モデルに標準装備 (引用元:BMW)
更に、前述の日経の記事によればこのように記載されている。
自動車の電子化は部品業界を変革する。電気自動車が普及すればエンジンや変速機の需要が減り、タッチパネルが増えればスイッチが減る。自動運転技術が進化すればハンドルやブレーキ関連部品は大きく変わる。電機大手などの参入機会が広がる一方、国内自動車大手と強固な関係を築いてきた伝統的な部品メーカーは新技術の開発や販売先の開拓が急務になる。(引用元:日本経済新聞)
部品会社の将来について、異分野との激しい生存競争について語っているが、これは、まさに真実であろう。いや、部品会社だけでなく、自動車会社自体にも、それは当てはまる。Googleの自動運転車の開発、テスラの新車開発など、既存の自動車会社だけでない競争が生まれてきているのだ。
実際、既に、2012年の段階で、テスラは、サイドミラーに代わるサイドカメラ装着のモデルXのコンセプトカーを発表していた。又、その理由も、空力抵抗を減らして、燃費改善を狙っているもので、既存のカーメーカーと共同で、嘆願書をNHTSA(アメリカの国交省)に提出している。
参照:http://www.autocar.jp/motorshow/2012/03/03/1531/
このような新技術のスピーディな採用を国が制限しているのは、現状の安全基準と同等、もしくはそれ以上を担保できるか危惧しているからでしょう。ただサイドミラーをなくすことに関しては、2015年自動車の国際基準を協議する国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が昨年11月にすべてのミラーのカメラ代替使用を認めている。WP29が代用を認める条件としては、「映像がミラーと同じ範囲や画質であること」としている。そのため、従来のサイドミラーやルームミラーと同じ位置にカメラとモニターを設置することや、夜間の場合も問題なく対応できること等、詳細な規定が設けられている。安全性を第一に考えなくてはならないからこそ、高い基準値が設けられて当然のことと言えるでしょう。
これを受けて、日本の国交省も、道路運送車両法の保安基準を、今年の6月にも改正をおこない、新基準を採用する事になっている。ただ単に、ミラーをカメラに変えるだけではなく、ドライバーの死角をなくすような変更が予定されているという。そして、2020年には、自動運転に対応するような法令の改正も視野に入れている。
このドアミラーのミラーレスは、エクステリアのデザインを大きく変えるかもしれない。今後のデザインの提案では、ミラーレスが基準になっていくと予想されるからである。そして、エクステリアデザインと同時に、もっと、構造的な変化が、インテリアデザインで起こってくるに違いない。スイッチレス、タッチパネルのサイズやポジション、他の自動運転から生じる構造的なインテリアデザインの変化、等々。技術の革新から求められてくる新しいデザインの変更を、カーデザイナーこそが、希求していかなくてはならないのではないでしょうか。
カーデザインアカデミーでは、このような時代の要請を受けて、2016年1月27日より、インテリアデザインのコースを開講することになった。エクステリアのデザインは、確かに、カーデザインの花形ではある。インテリアは、ドライバーが、日々、目と手で触れるもので、変更の内容も大きな革新を求められる。就職先としても、今後の広がりが予想される。
ということでインテリアスケッチコースが開講します!
ショーカーから量産まで、インテリアの提案を得意としてきたNORI, inc.(カーデザインアカデミー運営元のデザイン会社)だからこそできる講座として、この度リリースすることとなりました!なんと>1月31日までに申し込めば、カースタイリング誌1年分をプレゼントする開講キャンペーンも実施中!インテリアデザインに興味がある方は、この機会をお見逃しなく!