CDAトライアルコース Lesson 3

コンセプトを作成しよう

レッスン3のコンセプト立案では、あなたが現在あるデザインカンパニーに雇われていて、プロジェクトを一つ任されることになったという設定で考えてください。

課題内容

依頼されたプロジェクトで、あなたは今から10年後にデビューする新しいコンパクトカーのコンセプトをプレゼンテーションをすることになりました。
それでは、コンセプトとは、何でしょうか?

コンセプトを理解する簡単な方法は、5W1H(When, Who, Where, Why, What, and How)を考えることです。

  • What-どんな特徴のある車か?
  • Who-誰がその車のユーザーか?
  • When-何時どんな時にその車は使われるのか?
  • Where-どこで使われるのか?
  • Why-何故ユーザーがこの車を求めるのか?
  • How-どういう使われ方をするのか?

そして、「コンセプト」とは、上記の5W1Hを考慮し、開発する車の特徴や方向性を短い文章にまとることです。
例えば以下の様なものです。

【 都市部に住む定年後の60代の男性が、妻そしてペットと共に小旅行で車中泊が楽しめるクルマ 】

よく使われる言葉で「コンセプト」と混同しがちな言葉に、「スタイリングコンセプト」があります。
CDAでは、スタイリングコンセプトとは形状や外観を表現する短い文章と定義しています。

例えば、【 頑丈なクルマ 】 【 DINAMIC×SOLID 】 【 筋肉質 】 【 Massive 】などです。

この課題では、商品性や現状技術で実現が可能かどうかは深く考える必要はありません。重要なのはこのクルマが「唯一無二」なことです。現在ある車で代用できないコンセプトを考えましょう。

企業からの依頼内容(課題)は、
10年後にデビューすることになる、あなたの国または町で使われるコンパクトカー

このレッスン3ではスケッチは必要ありません。スケッチでコンセプトをビジュアル化することはレッスン4の課題となります。

上達のアドバイス

コンセプトの立案方法は多種多様で、現在でも良いコンセプトを考案するための方法論が模索されています。このレッスンではCDAが推奨している、提案性のあるコンセプトを考える際に役立つアプローチ方法をご紹介しますので参考にしてください。

1. クルマの特徴から考える

ここ数年注目されている言葉に「USP」があります。これは「Unique Selling Proposition」の略語で、このクルマの売りはなにか?つまりは個性や特徴は何か?ということを表しています。

この方法ではまず一番大事な個性や特徴から考えて、そのあとにその特徴にあったターゲットユーザーを設定します。

発想の流れ

最近感動した事や、世の中や身の回りの事で気付いた事柄を思いつく限り書き出します。そのとき、なぜ感動したのか?なども考えるようにしましょう。
次に、それらの中からクルマのコンセプトに落し込めそうな事柄を抽出し、どのようにしたらそれをクルマで実現できるのかを考えます。
そこで考え出したことがその車の個性・特徴となります。このとき、今ある車で代用できそうであればその案は捨て、新たな案を考えるようにしましょう。
最後に、その特徴にあったターゲットユーザーを設定します。

2. ターゲットユーザーを設定する

魅力的なコンセプト、人に伝わる説得力のあるコンセプトを立案するポイントの一つに、「ターゲットを明確にする」ということがあげられます。注意点をまとめましたので、以下の点に気をつけ課題に取り組んで下さい。

ターゲットを具体的にイメージする

例:年齢・性別・家族構成・居住地・仕事・勤務時間・収入・趣味・現在の移動手段・ファッション・好きなブランド・読んでいる雑誌・価値観などです。
その時に、それぞれの国の地域性も考えましょう。

ターゲットユーザーのベネフィット(利益)を、それをコンセプトに落とし込む。

クルマの個性や特徴がターゲットユーザーにどのようなベネフィットをもたらすのかを文章で伝えましょう。
下記の表は、デービッド・アーカー※の 【Beyond Functional Benefit】です。
(ベネフィット3分類|機能的なベネフィットを超えるもの)※アーカーは、アメリカの著名なマーケティング、オーガニゼーションの理論家です。

簡単に説明をしますと、
機能的なベネフィットというのは、クルマの性能、サイズ、スピード、何人乗り、収納がどれくらいあるか、価格といったような、数字で表すことができるベネフィットと考えてください。

情緒的ベネフィットとは、そのクルマを持つことによって得られるプラスの感覚(例えば、ハマーの厚いドア、ゴツゴツした外観によって得られる安心感)

自己表現ベネフィットとは、そのクルマを持つことで可能となる自己表現。(例えば、EVに乗っていれば、地球環境に優しい自分を表現できる。)

上記の三つのベネフィットに気をつけることで、ターゲットのニーズをイメージして、コンセプトに反映しやすくなります。
そうやって、出来上がったコンセプトは、より受け入れやすく、より説得力があります。

また、コンセプトを立てる際に、「ターゲットを明確にする」以外にも、いくつかの方法があります。
車が使用されるシチュエーションから発想していく方法や、社会情勢、又は、現状不満から発想していく方法など、数多くあります。
自分にあった方法を見つけるためにも、色々と考えてみてください。

受講生の提出作品

※こちらでは提出作品の参考例として、CDA受講生作品の一部を閲覧する事ができます。

参考

CAR DESIGN ACADEMY

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