Car Design Academy受講生の皆様へ。
9月2日に執り行われたCDAデザインコンペティションの審査結果をお届けします!
最終審査では全10作品が審査されました。
今回のコンペティションでは、「パートナーと楽しむツーシーターのデザイン」というテーマに対して、どのような視点で捉え、どのような提案を行ったかが評価のポイントとなりました。審査は栗原先生が丁寧に行い、各作品のコンセプトとデザインがどのように結びついているかを細かく確認されていました。
参加された受講生の皆さんはもちろん、他の受講生の皆さんも、それぞれの作品がどのように評価されたかをご覧いただき、今後の作品制作の参考にしていただければと思います。
今回のコンペティションで最優秀賞に輝いた作品は、カップルがペットと共に移動を楽しむことができる2シーターを提案した作品でした。審査員長の栗原氏は、特にデザイン全体の統一感とまとまりを高く評価しました。このデザインは、ラフなアイデアスケッチから最終的なスケッチに至るまでの発展が非常に良く、全体のプロポーションや細部のディテールに至るまで、深く検討された様子が伝わります。さらに、インテリアのスケッチを組み込むことで、コンセプトがより具体的かつ魅力的に表現されており、これが作品全体の完成度を一層高めています。これらの要素が総合的に評価され、今回の最優秀賞に選出されました。
2位に選ばれたのは、今回初出場のYamazakiさんによる「どんなシーンにも溶け込む2シーター」の提案です。中間チェックの段階で、審査員長の栗原氏からスケッチ力の高さが評価されていましたが、最終作品はその期待を上回るクオリティで仕上がっていました。デザインはスポーティーな印象が強いワンモーションフォルムを特徴としていますが、視認性の向上や周囲の環境に自然に溶け込むというコンセプトを的確に反映しており、その「理由のある形」も高く評価されました。惜しい点として指摘されたのは、フロントビューとリアビューで形状が異なっている事です。特にキャラクターラインが異なる点において、栗原氏はリアビューに見られる湾曲したラインの方が勢いがあり、より良いと感じたとのことでした。また、フロントウィンドウを先端まで伸ばすことで、さらにダイナミックな印象を強めることができたのではないかという意見もありました。
3位に選ばれた作品は、遠距離恋愛中のカップルが2人の時間を最大限に楽しむためのオープン2シーターです。評価されたポイントは、その豊かなアイデア展開力にあります。スケッチを通じて様々な可能性を探求している姿勢が伺えます。日本刀をテーマにしているようですが、コンセプトとの関連性がもう少し明確に説明されていれば更に良い評価につながったでしょう。また、示された寸法に対して、デザインスケッチが短く見える点が指摘されていました。例えば、3300mmという全長はダイハツ・コペンより約100mm短いものの、それでもこのスケッチよりは長く見えるはずです。もし適切な長さに見える全長で描かれていれば、デザインに伸びやかさが加わり、テーマである日本刀のイメージがより効果的に伝わったことでしょう。今後は、設定した寸法に近い車を参考にし、それをベースにサイドビューを描くようにしましょう。
Winners & Judge’s Comments
コンペに参加された受講生の皆さん、作品制作お疲れさまでした。
今回も限られた時間の中で、多彩な提案を生み出していただき、審査員を含めスタッフ一同、とても楽しませていただきました。
これまでにもお伝えしている通り、短期間のコンペであるため、スタイリングに重きを置いていますが、それにもかかわらず皆さんがしっかりとコンセプトを考え抜いている姿勢に感心しています。表現スキルには個人差が見られましたが、テーマに真剣に取り組んだ皆さんの努力に敬意を表したいと思います。
また、今回の参加者の中には10代の若い方々もおり、今後の成長に大いに期待を寄せています。そして、毎回コンペに参加している受講生の作品も回を重ねるごとにクオリティが向上しており、運営側として非常に嬉しい限りです。
このデザインコンペが皆さんの成長に繋がることを確信しており、今後もCDAではこのコンペを可能な限り継続していく所存です。現在受講中の方はもちろん、受講修了された方もぜひ、引き続きご参加いただければと思います。
Car Design Academy 校長:喜屋武タケル