こんにちは、Car Design Academy受講生の皆様へ。
先日の4月10日に開催されたCDAデザインコンペティションの審査結果をお届けします!
今回のコンペには全14作品が審査され、たくさんの受講生の方々にご参加いただきました。
今回もスタイリングの重要性が審査基準となりました。栗原先生は次世代スポーツカーとしてどのような外観を想像し、どのように走りの楽しさを表現したかを、丁寧に審査されました。
参加された皆様、そしてこの記事をご覧いただいている皆様には、ぜひ作品がどのように評価されたのかご覧いただきたいと思います。
個性的なデザインと、量感がある面が評価され今回最優秀賞に選ばれました。フロントからリアに向かってダイナミックなラインで造形された赤いパーツが良いアクセントになり、非常にユニークなデザインに仕上がっています。また、最終デザインに向かうまでのプロセスをまとめたボードのグラフィックも見事です。ただ赤いパーツの上端が水平ですが、前方に向けてスラントさせればよりスポーティーな印象を与えることができたでしょう。
中間チェック時と比べて、非常に良くなりました。コンセプトがうまくデザインで表現されており、全体のバランスもまとまりも良かった点が評価されました。プロセスをまとめたコンセプトボードも良かったです。しかし、ペイントによってボディ表面の質感をもっと表現する必要があります。ガラスやボディのツヤ感が乏しく、また面の量感(膨らみなど)も不足しています。せっかくの良いプロポーションを生かしきれていないので、今後はこの点にも注意してペイントしていきましょう。
魅力的なスポーツカーらしいプロポーションが評価されましたが、デザイン面ではもっと個性を出す必要があります。Aグループの1位・2位と比べると、この点が弱いとされました。次にペイント面については、少し霞みがかった表現になっているので、表面に艶があるように見えるクリアさが表現されていればさらに良くなるでしょう。
Under Armourとモータースポーツを掛け合わせたデザインテーマがユニークで良かったです。スケッチ展開も分かりやすく、好感が持てました。しかし、レンダリングに関しては、質感の表現がまだ不十分で、所々で曖昧なところが見受けられました。表現力をもっとつけることができれば、Aグループの上位を狙うことができるでしょう。
宇宙戦艦ヤマトをテーマに、中高年男性をターゲットにしている点がユニークでした。デザインについては、フロントにボリューム感があり、全体的に一体感も感じられる点が良かったです。ただし、ホイールを含めたディテールが描き込まれていなかったため、今後はそれらをしっかりと描写するように心掛けましょう。
アイデアスケッチを含めたデザインの完成度が高く、個性を出すために造形的なトライがあった点が高評価となりました。ただ、惜しい点としては、見つけた「インフィニティ」のデザインモチーフが最終案に進むにつれて薄まってしまったことです。最優秀賞のAbdulさんの作品テーマが少し近いので、造形の処理などを参考にしてみると良いでしょう。また、ペイントについては、面に立体感を感じられるように意識して塗っていきましょう。
Group A
Group B
Winners
Judge’s Comments
今回のコンペとは全く関係ありませんが、栗原先生が雑誌Tipoのために今回は偶然にもスポーツカーをデザインしていますので、特別にスケッチを掲載し、そのデザインのポイントを簡単に語って頂きました。今後のデザイン活動の参考にしてください。
デザインについて
栗原先生がスポーツカーのデザインで大切にされているのは、「プロポーション」と「面の張り」。これらがしっかりと備わっていれば、余計なキャラクターラインなどの装飾的な処理が必要なく、自然と魅力的なデザインが完成すると話していました。今回栗原先生はこの2つの点を気にして審査されていたので、皆さんもご自身の作品を見直す際にはこれら2点を意識してください。
CDAコンペに参加された皆さん、
おつかれさまでした。今回もタイトなスケジュールの中で様々な提案を生み出していただき、審査員含めスタッフ一同、楽しませていただきました。
今回の審査においては、前回同様スタイリングを重視しています。カーデザイナーには、コンセプトを考える立案力が必要不可欠ですが、個性的で魅力的なスタイルを生み出す能力も同様に重要です。受講生の皆様には、この点を念頭に置きながら日々の練習に取り組んでいただきたいと思います。また、具体的に作品のどこが美しく、魅力的なのかを説明できるようにすることも、プレゼンテーション力を磨く上で重要です。デザイナーは、自身がデザインした作品をクライアントや上司に対して説明する必要があります。相手を納得させるためには、デザインスケッチだけでなく、プレゼンボードの内容にも力を入れるように心がけましょう。
次回のコンペで皆さんがどのように成長するのか非常に楽しみです。今回参加された受講生はもちろん、参加できなかった受講生のみなさんも次回はぜひご参加ください。