こんにちは。Car Design Academyです。
先日8月29日にCDAデザインコンペティションの審査会を執り行いました。
今回のコンペで審査されたのは全14作品。受講したての初心者から、何度も参加されている方まで幅広く参加いただきました。
今回はいつものコンセプトを重視したコンペとは少し違い、どんなモチーフを選んで、どうアレンジするのかが評価のポイントになりました。モチーフとなる車の特徴をうまく抽出して、現代の車として取り入れる難しさ、そして楽しさを経験できたのではと作品から感じ取れます。
また、国によってクラシックカーの捉え方が違っている点もこのコンペの興味深い点なので、そこにも注目して各作品を御覧ください。
インドで発売されていたSUZUKIのCERVO(※日本ではスズキ フロンテクーペとして発売されていたリンク)。この作品は小さいながらもスポーティで、ヘッドランプなどユニークなデザイン処理が評価されました。また、Cervoの特徴である折れたベルトラインとCピラー付近のエアベントもしっかりと取り入れてデザインされています。そして、この考案したデザインを
魅力的に伝えるスケッチテクニックも受賞の理由です。
Fiat 128 Nuovo Berlinettaをモチーフに選んだ作品です。スポーティな外観と実用性を兼ねたこの名車のコンセプトをそのままに、現在的なデザインで古さを全く感じさせていない点が評価されました。また、128の特徴であった太いCピラーをうまく取り入れている点もこのデザインの良さです。
欧州Fordが発売していたKaという丸っこくて可愛らしい車をモチーフにした作品です。デザインスキルが非常に高く、モチーフとなる車の特徴をよく捉えて現代風にアレンジしている点が素晴らしいです。惜しい点はリアビューでのDピラー下部の造形で、フロントビューとサイドビューと造形処理が異なっています。フロント・サイドビューのようなシンプルな造形にした方が良いでしょう。
前回からBグループにランクアップしていたArnavさんですが、着実にデザインスキルを向上させ、ついに1位となりました。チーフにしたのはメルセデス・ベンツの2000GT。ガルウィングが印象的なスポーツカーですが、Arnavさんはこの車の持つガルウィング以外の様々な特徴を抽出し、それらをうまく取り入れてデザインしています。また、ファミリー向けの車としてデザインしている点もユニークで、高評価を得ていました。
TOYOTA AAという1936年の古い車をモチーフにデザインしています。この時代の車が持つ特有のスタイルをモダナイズしただけではなく、和風というテイストをうまく盛り込むことで、非常に存在感が強いデザインに仕上げています。
ピュアスポーツのTOYOTA 2000をコンパクト4ドアとしてデザインされた作品です。選んだクラシックカー(スポーツカー)と、提案してる車のカテゴリー(ファミリーカー)が全く違う方向ですが、うまくデザインを取り込みながらフォルムをチューニングした結果、違和感のない魅力あるデザインに仕上がっています。
※YouTubeには字幕をつけていますので、字幕機能をオンにしてください。
Opening Remarks
Group A
Group B
Winners
Judge’s Comments
CDAコンペに参加された皆さん、タイトなスケジュールの中で本当によく頑張りました。
今回のテーマであるクラシックカーは、明確な定義がないこともあり、モチーフとされる車を見て
人によっては驚くこともあったと想像しています。生まれ育った国はもちろん、個々の価値観によって「クラシック」の捉え方が違いましたが、この多様性がコンペの面白さだと再認識しております。
提出された様々な価値観に触れることで、皆さんの感性が高まれば幸いです。
次回のコンペでも多様な作品を期待しています。今回参加された受講生はもちろん、参加できなかった受講生のみなさんも次回はぜひご参加ください。