こんにちは。Car Design Academyです。
大変長らくお待たせしました。
延期していた審査会ですが、審査員長山下敏男先生の体調が無事に回復し、先日審査会を執り行うことができました。
山下先生からは激励の言葉をかけてくださった皆さんへの感謝の気持をお預かりしております。
さて、今回のコンペで審査されたのは全21作品!全体的にレベルの高い作品が揃い、いつものように審査は難航しました。
すぐに実現できそうな現実的なデザインから、未来を見越したデザインまで、幅広いタイプの作品提案がありました。
全体の特徴として、パンデミック下の現状を反映した作品が多かった点が挙げられますが、
どの作品も悲観的なものではなく、変化することをポジティブに捉えた興味深い作品ばかりでした。
今回もテーマとコンセプトの整合性がうまく合致し、現実感を帯びたデザインが高得点の決め手となりました。
また、コンセプトを的確かつ魅力的に表現するスケッチスキルの重要性も審査の大事なポイントです。
※具体的な点数は提出された方々に個別でシートをお送りし、全体に公開はいたしません。ご了承ください。
【注目!】
審査の中では、上のグループに入るためのポイントも説明しています。次回のコンペでは、一つでも上のグループに入れるようにがんばりましょう。また、今回グループAに属している方も、気を抜かずにスケッチレベルの向上とデザインの研究に励むようにしましょう。
プレゼンボードのイラストが魅⼒的で、わかりやすい!
ターゲットであるバックパッカーが空港到着した後に、このビークルを「どこで、どの様に利用して観光するか」までの流れが文字情報無しで伝えることに成功しています。
また、スケッチに関してはアイデエーションをサイドビュー、そしてスリークォータービュースケッチなどで分けて描けるスキルを持っています。
惜しかった点は、形態を始めから決めている為なのか、アイデアスケッチに広がりが不足しているところ。
EVがシェアリングされる時代には、もっと独創的なデザインが求められるのではないか?素材や構造まで意識した「スタイリングの⾰命的」なデザインを目指してほしいと思います。
バックパッカーとトラベラーの意味合いが混同してしまい、コンセプトが不明瞭になっていた点が惜しかったです。
GEN Z をターゲットに、街乗りEVのつまらなさにワクワク感を出せる企画が良いです。コンセプトボードのDUAL PERSONALITYページがGEN Zをよく表現されている点もGOOD!
また、しっかりとフォルムの研究もできていました。スケッチ⼒も高いです。しかし、スタイリングがマツダ車に寄りすぎていた点が勿体無い。そこでデザインの発展が⽌まっているように感じました。既存メーカのスタイリングにとらわれない独自のデザインが生み出せるよう今後も頑張ってください。
「⾼級とファミリー」このテーマは過去から現在まで多くのメーカーがトライしており、以前は⼩さな⾼級⾞と呼ばれたりもしていました。
現実にはコストをかけてもなかなか実現できない難しさがあります。
スケッチは巧みで魅⼒があり、見せ⽅も良いです。しかしながら、何か「これ」という強いものは感じられませんでした。
スケッチにはロールスのフロントを彷彿とさせる部分がありますが、ロールスの本来の美しさを⾒極めると今回の提案の内容がもっと良く
なるでしょう。現代のラクジュアリー(ロールス)デザインはセクシーだと思ます。
スタイリングで一点アドバイスすると、ボディサイドはフラット面にした方が、モダンに見えて良くなると思います。
⾞本来の価値を再構築した提案だと受け取りました。
このようなコロナの時代こそ、⾞が果たす役割が⼤きいと感じます。
スケッチは、独創的でよくペイントされていますが、今後はデジタルツールを使用したペイントも学んで更に表現力を高めていただきたいと思います。
改善点として、今回のコンテストでの提案はもっと新しい価値観を探していますが、その様な提案にはまだ達していませんでした。
スケッチは丁寧で良いのすが、アイデアが不足している印象を受けました。また、プレゼンボードとして、アイデアスケッチの多さは高評価に繋がる可能性が高いです。
次回はそなるべく多くのアイデアスケッチを載せましょう。
企画の理由が不明瞭でした。カルフォルニアが美しい街であることは理解するが、「なぜそこなのか?」の説明が不⾜していると思います。
また、ピックアップにした場合は、何を荷台に乗せるのかがよく分かりませんでした。海岸の町なのでサーフボードやヨット関連のものでしょうか?
スタイリングは、もっとアイデアの幅が欲しいと感じました。コメントで紹介したシトロエンのメハリを参考にしてみてください。
⼤変夢のある企画ですね!ただし、クロスオーバーが「概念」ではなく「形態」になっているのが残念です。
ここは⾶⾏機というプロダクトを分析し、それと⾞の良さを複合させれば、もっと良いモノが生まれると思います。
飛行機の持つ魅⼒は外観だけでなく室内にもあると思います。特に家族で過ごす場合には、特別なUXが求められるはずですよね。
そのことをもっと幅広く考えましょう。車内には何を持ち込みたいか?、何があれば嬉しいのか?、飲み物は?、この車でどこへ⾏くのか?などです。
EVは始まったばかりで様々な可能性が模索されている最中です。あなた達には新しい時代を作ってほしいですね。
バギーの要素を取り⼊れたファミリーカーという印象を受けました。興味深いデザインですが、タイヤのフェンダーが小さすぎて危険を感じさせてしまっていますので気をつけましょう。
また、スケッチはまだまだ伸びると思います。これからデジタルの使い⽅も学び、もっと表現力を高めれば、今回提案したこのデザインでも格段上のレベルのデザインに見せることができるでしょう。頑張ってください。
教育に視点を置いた提案に興味を持ちました。ただし、クロスオーバーにはなっていない点が惜しかったです。スタイリングに関しては、「教育向けの⾞」という点をもっと追求しましょう。
この車の使われ⽅や使い⽅が重要です。それには⼈物を描き入れながら考えてみるとよくイメージすることができます。そして最終的には形態(スタイリング)のテーマを探すことがデザインを決める近道になります。たくさんスケッチしながら探してみてください。
Opening Remarks
Group A
Group B
Group C
Winners
Judge’s Comments
CDAコンペに参加された皆さん、短い期間の中で本当によく頑張りました。「クロスオーバー」という難しいテーマでしたが、真剣に向き合って生み出された作品は素晴らしいものばかりでした。
しかしコンペではどんなに素晴らしいデザインが多くても、選ばれるのはひとつです。それは実際のデザイン開発も同様で、並外れた能力を持つデザイナー同士で競われるデザインコンペでも
ほんの少しの差異で勝敗が決まるのです。デザイナーを目指す皆さん、「選ばれるデザイン」の特徴を自分なりに考察してください。スケッチの巧みさだけでなく、コンセプトの立て方やアイデア展開、そしてプレゼンボードの表現など、どのポイントが優れているのかを探し出しましょう。そして今後のデザイン活動に是非生かしてください。このコンペを通して皆さんが生み出すデザインにポジティブな変化が起こることを期待しております。
それでは、また次回のCDAデザインコンペティションにて、成長した作品が提出されることを楽しみにお待ちしています!